道を歩けば銃撃戦に出会い、目の前の事故車からは憔悴の美少女が助けを求め、喫茶店でコーヒーを飲めば強盗が押し入り、事務所に戻れば瀕死の美少女が縛られている。
 依頼なんて受けなくても、次々と事件が向こうから舞い込んでくる。降りかかる火の粉をはらいのけているだけで、結果として物凄い数の事件を解決してきた男。
 運は極悪、腕は超一流、[悪行 双麻(あぎょう そうま)]は、日本に2人しかいない、数少ないクラスAディテクティブなのだ。

 ひょんなことから、ミントという名の、小さな女の子を預かることになった[悪行 双麻]。
 ミントは人間ではなく、メイ=ドロイドと呼ばれる人型アンドロイドだった。しかしミントは悪行と一緒に暮らすうちに、次第に感情が芽生えてくる。
 人としての悲しみや喜び、恥じらいが現れるようになり、悪行は単なる機械とは思えなくなってくる。
 だが、ミントを狙う人間の影…ミント誕生の謎とはいったい…??
 悪行は、見えない人間事件を解決し、海音寺邸の宝を発見し、ゴーストの正体を暴く。


 次第にそれらの事件が、ミントを中心として、つながりがあることに気付いていく。
 そして悪行は、ついにアウトフィットと呼ばれる凶悪な犯罪組織と、非合法の政府組織の抗争に巻き込まれてしまう。
 悪行は、もちまえのタフネスと、智力と、行動力で、ついにセントラル街を根城にするアウトフィット犯罪組織を壊滅させる。
 そして、全てのしがらみから逃れるように[悪行 双麻]はミントとともに、どこかへ去っていくのだった――




そして、それから数ヶ月――
世界最年少クラスAディテクティブが、ロンドンで誕生していた。
世界で31人目のクラスA。
その名は[八十神 かおる]。若干18歳――
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